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合併

1.意義

 合併とは、2つ以上の会社が契約によって1つの会社に合体することをいいます。
このような契約を合併契約といいます。
 合併には吸収合併新設合併とがあります。

吸収合併は、1社が存続し、他の会社は解散してその存続会社に吸収されることをいいます(2条27号)。
存続する側を存続会社、吸収される側は解散して消滅するので消滅会社といいます。

 たとえば、ランダム社がZiiのヒットだけではこの先ゲームソフト業界を生き残っていけないと考え同業大手のナンテンドーと合併を考えたとします。
 組織の拡大を狙うナンテンドーもランダム社の吸収には乗り気です。 そこで両社は吸収合併契約を結びます。 これによりナンテンドーはランダム社の持つ権利義務のすべてを包括的に承継し、ランダム社は解散・消滅します。
 包括承継なので、事業譲渡と違い秋葉原の自社ビルの所有権やZiiの商標権など個々の財産の移転手続は必要でなく、またランダム社が自社ビルを建てたときに借りた金銭の債務もナンテンドーに免責的債務引受をさせることもなく当然に引き継がれます。 ランダム社は解散して清算手続をとる必要はありません8475条1号かっこ書参照)。

新設合併は、すべての会社が解散すると同時に、新しい会社を設立することをいいます(2条28号)。
 ランダム社とナンテンドーが新設合併の道を選ぶならまったく別の会社、例えばRテンドーを新設しなければなりません。
 しかし、そうすると、ナンテンドーが主務官庁から得ていた許認可権や金融商品取引所の上場資格等がいったん消滅し、Rテンドーの名で申請し直さなければなりません。登録免許税も、吸収合併なら資本金増加分の0.15%で済むが、新設合併ならRテンドーの資本金全体の0.15%なので(登録免許税法別表第一〔十九〕(一)ホ・ヘ)、Rテンドーの資本金が巨額だと馬鹿にならない。やはり、ナンテンドーが存続会社となる吸収合併の方がよさそうです。

 実務でも新設合併はあまり人気がありません。合併は、株式会社と持分会社とが合併しても株式会社同士が合併して持分会社を新設してもよく、制約なく自由です(748条。合併自由の原則)。

合併

2.対価の柔軟化

 合併があると通常、消滅会社の株主に存続会社や新設会社の株式が交付されます。
つまり、消滅会社の株主は持株数に見合った存続会社または新設会社の株主となるわけです。

 そうすると株主が気になるのは、これまでの持株と同じ価値の株式が交付されるのかということです。
 弱小ランダム社の株主カツ・タツがランダム社株1株につきナンテンドー株を1株交付されたなら、ナンテンドーの株主にとり不公平です。

 そこで割当て比率を予め定めておく必要があります。
 例えば、ナンテンドーの株式の価値がランダム社のそれの2倍であるとすると、ナンテンドー株1株に対しランダム社株2個の比率でつりあります。 これを合併比率といいます。

 従来は、交付する対価は存続会社や新設会社の株式でなければならないとされていました。
これまでの合併だと、消滅会社の株主は自動的に存続会社や新設会社に投資し続けることと決まっていました。 しかし、会社法は、社債でも新株予約権でも金銭でも何でもよいとしまず。

 合併対価を柔軟化し、事業再編を自在に行なえるようにしたいわけです。
 ただ、新設会社の場合は必ず新設会社の株式を交付しなければならないので、その株式に加えて社債等を交付することになります(753条1項6〜9号)。

 B社がA社を金銭だけを対価として吸収合併をすると、A社株主達は金銭を受け取るだけでナンテンドー株主になれず、去ってゆくことになります。 これを交付金合併といいます。

 社債を合併対価として交付される場合も、A社株主達はやはり、株主の地位を去ることを余儀なくされます。 この点、新株予約権を交付されれば、B社の株主になりたいと思うA社株主は権利行使をしてB社株を得ればよいし、そうでないA社株主は、新株予約権を譲渡し、換価してしまえばよく、選択の道が広がります。 ただ、権利行使の価格や機関などの条件によっては、B社株を直接に交付されるより有利か不利か、判断が難しいこともあります。 また、B社がその親会社株をA社株主達に交付してもよいです。 B社親会社が外国会社であってA社を直接吸収合併できないような場合に、日本に子会社B社を設立してA社を吸収させれば、B社親会社が外国からA社を吸収合併するのと同じ結果となります。
 このように存続会社がその親会社の株式を消滅会社の株主に交付すること三角合併といいます。

 これらは、経済界による多様な組織再編方法採用の要請に基づきアメリカから導入されたものですが、悪用される危険がないとはいえません。 例えば、A社の大株主がA社少数株主を追い出す方策としてB社による交付金合併を行なうことが懸念されます。

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